六本木には国立新美術館、森美術館、サントリー美術館などの大きな美術館から小さなギャラリーまで、アート作品に出合える施設がたくさんあります。また、六本木ヒルズ、東京ミッドタウンでも建物の外に、そして六本木の街中や公園にも、直接見たり触れたり出来るアート・デザイン作品(パブリック・アート)があります。普段何気なく通り過ぎている横でアート作品が街を飾り、作者の思いを主張しています。そんな作品をゆっくりめぐって見ませんか。
    30.スマイリー×スマイリー

1954(昭和29)年東京の六本木に戦禍のあとを一掃する区画整理と道路拡張工事が一段落したときに設置された作品です。ギターを奏でる清楚な少女の姿は、六本木の戦後復興の記念と未来への希望を示す、ふさわしい作品として地域を見守り続けています。

六本木の新たなイメージとして「アート・デザインのまち」を象徴するロゴを制作し、高速道路側面に設置しました。「六本木ライト・ストリーム」にあわせて色は白とし、おとなしいイメージの中にも、未来への広がりや発展性、奥行感を表現しています。

まちを分断し、暗いイメージのある高速道路を、何とかまちの一部として一体化出来ないかと、六本木商店街が既存の高速道路を活かした形で設置したオリジナルのデザイン照明です。「六本木 ライト・ストリーム」と名づけ、白いLEDで星の輝きのような光の流れをイメージしています。

大切な物を優しく胸に包み込むような、ボリュウムのある造形。その優雅なポーズは機知に富み、近代的な古典主義を貫く作者の真骨頂を示しています。題材となった「ネレイス」とは、ギリシャ神話に登場する海の神。このモチーフは、古代美術から繰り返し用いられている普遍的なテーマでもあります。

自然の中にあって決して媚びるのではなく、同等に存在し、共鳴し合う彫刻・・・。公園の中に立って静かに視線を動かしてみて下さい。心地よい調和と秩序を感じさせる作品が、瞳に映るはずです。この彫刻は自然とそこに流れる時間を象徴しています。私たちはその流れる時間に自ら遊ぶことによって、この作品を理解し楽しむことが出来るのです。

地下鉄大江戸線の駅構内に置かれたこの作品は、人々の熱気や気分の高揚といった、六本木の街の鼓動が表現されている。国境を越えて六本木に集まってくる様々な人々をイメージし、言葉や解説のいらない「世界共通言語」としての絵が誕生した。ベースの黒御影石の近くに配置されたスポットライトは、センサーで感知された部分だけ点灯するシステムになっている。

ルイーズ・ブルジョワは、フランス出身で孤高のアーティスト。 ブロンズ製の体内には、20個白く光輝く大理石の卵を抱えたこの作品は、自身の母親への憧憬が込められています。 六本木ヒルズのメインエントランスでもある66プラザに設置。世界中から人々が集まり、出逢い、新たな価値や知恵が生み出され、ママンが抱く卵のように大切に孵化され拡がっていく。この街の象徴として、圧倒的な存在感と優しさを感じさせてくれます。

ベルリンで活躍するイザ・ゲンツケンは、木材やガラス、コンクリートブロックを用い、周囲の空間や環境との関係をテーマにしたミニマルで建築的な彫刻作品を制作しています。 地上より一輪の深紅の薔薇が立ち上がるこの彫刻は、ゲンツケンとしては大変珍しい作品で、六本木ヒルズの愛と美を象徴して、66プラザ内ローズガーデンに凛として屹立しています。

マーティン・プーリエは、1989年にサンパウロビエンナーレで大賞を受賞以来、アメリカを代表する彫刻家として知られています。 テレビ朝日のアトリウムの向き合うように置かれた作品は、訪れる人々を迎えているかのような存在を示します。中国で切り出された石のブロックを日本の石工によって仕上げ、精密に積み上げられたその姿からは、光と影の移ろいにより、多様な表情が醸し出されます。

宮島達男は、1988年に発光ダイオードのデジタルカウンターによる最初の作品を発表して以来、世界的に活動しています。 テレビ朝日社屋の交差点コーナーに面する半透明なガラススクリーン(高さ5m、全長50m)には巨大なデジタル数字が6つ浮かびあがり、都会の喧騒の中で規則的に数をカウントする情景は、人々の様々なイマジネーションを呼び起こします。

崔 正化は、身近で日常的なものを題材にカラフルでポップな作品を発表し、韓国で最も注目されるアーティストの一人です。 さくら坂公園には、色とりどりに並んだ10台の滑り台をはじめ、あちらこちらに子供のロボットが登場。ブリキのおもちゃのようなレトロな趣きをたたえたロボット達には、子供だけでなくかつて子供だった大人への愛に満ちたメッセージが込められています。

蔡 國強は、火薬、風水、漢方薬など中国の伝統的な素材やアイデアを用いた大規模なプロジェクトで知られ、多数の国際展に参加しているアーティストです。 今回は、グランドハイアット東京の前に、日本の枯山水の庭園を思い出させる、日本や中国の水墨画に描かれる岩山と水景を立体化しています。 岩山の圧倒的な迫力と流れる水の音に触れるこの作品は、空間と人々が気心を通わせる壮大で精神的な作品です。

ベンチそのものをデザインコンセプトに、好奇心を持たせるものではなく、環境とのバランスを意図しました。オリジナルのアイデアは、美しく、耐久性のある竹の集成材を使う予定でしたが、時間とともに酸化し、美しく変化する日本の針葉樹を使うことに決めました。

川原には大きな丸みをおびた石がゴロゴロありました。私はその石に座って川の流れを見つめていた少年時代のことを今でもよく覚えている。

ジャズの名曲をタイトルに持つベンチは、モノからある種の重力を取り除きたいと考えてデザインしたもの。そして私たちから真の愛を奪ってしまった20世紀社会の規範、思考、感覚、価値観など、私たちの文明的調和を乱してきたすべてのものからの完全なる解放を望んで製作した。

このベンチは、歩道と車道の間にあり、デザインと建築の間、といった境界に設置されている。それはオープンでもあり、プライベートな空間でもあるでしょう。

都市の森に浮かんだ大きな水面であり、その上に広がっていく<波紋>をイメージしました。この水面に集まった人々によって発生したアクティビティーは、水の波紋の広がりのように、相互に干渉し合いながら場を形成していくのです。

ス・ケープは、東京都市部の角ばった簡素さとコントラストをなし、ランドスケープの延長としてデザインされています。流れる色彩の島で、夜には人造景観の中で人工的な自然の一片のように輝き、陸と海、密度と空間、量と無限といった対比を表現しています。

椅子全体が特殊な技術によって実現した、巨岩のようなガラスの塊でできています。水の中にガラス片を入れた時、その輪郭がだんだんと消えていくように、雨の日にはまるでその姿が消えるかのように見える、“雨の日に消える椅子”がコンセプトです。

基本的な考え方は、沢山の人や車が行き交う街中に遮断されたプライベートな空間を望む人達のものを作ることでした。そのような目的で、小さな建築物に二つの大きなベンチを、歩道側からのみ入れるように設置。車道側からは遮断されています。

ストックホルム沖の群島へ旅行したときの思い出が私のデザインのすべてです。

あるものから別のものに境目無く変化しながら、ほとんど無意識のうちに無限大のサインを形作っているのかもしれません。徐々に無限のループは広がっていき、その透き間は地面から伸びるアイビーが絡みながら育っていく骨格を形成します。

数十億年という時を経て作られた大理石は、この地球の一部です。 その大理石でつくった『意心帰』をふたたび地下に戻しました。 『意心帰』にふれて、地球を感じてください。そして穴の中に入り、太古の声に耳をすませてみてください。あなたを包むやさしい地球に出会えます。

『妙夢』とは夢のごとし、という意味です。真中に開いた円環には一人一人の思いや夢を包み込むちからがあります。円環にぜひ座ってみてください。あなたの前にいつもと違う風景がひろがっていきます。 『妙夢』と、地下の『意心帰』2つの彫刻は共鳴し合い、天と地をつないでいます。

月のパビリオンをテーマにした作品です。210個ものアルミニウムのパーツから出来ています。大きくてどっしりした作品は、まるで洞窟のようであり、東京の真ん中に突然現れた非日常的な裂け目のようでもあります。 ずっと見つめていると、吸い込まれてしまいそうです。

楕円形とその断面からなる幾何学をベースにした作品で、よく見ると人間の横顔が隠れています。いくつの顔が隠れているのか、いろいろな角度から探してみましょう。

作品タイトル「BLOOM」は、想像力を解き放つ、広々とした草原を意味します。透明で、無重力で、動きのある美しいタワーです。日々の生活とは違う何かに、ほんの一瞬思いを馳せ、触れあってもらいたい。そんな作者の想いが込められています。 国立新美術館から東京ミッドタウンへの目印にもなっています。

六本木という街のエネルギーに負けないよう、平面的ではないボリューム感と、楽しげな動きのある造形を用いて、人と人とがシンクロするイメージを表現しました。近づいて花を愛でたり、ベンチに腰掛けてしばし休息するなど交差点が単なる通過点でない場となることを願っています。また、遠目にも花壇そのものがストリートファニチャーの役割を持ち、空間のオリジナリティーを創出する狙いです。