六本木活性化プログラム

「アートやデザインなど 高感度な創造価値を発信する拠点」としての六本木。

都会の自然や文化、祭りやイベント風景、
六本木に生きる人々の表情や温もりが感じられる写真を募集致しました。
多数の応募を頂いた中から受賞作を写真家 立木義浩氏により選定頂き、
フォトコンテストの審査が終了しました。

たくさんのご応募ありがとうございました!
金賞 『偶然』 樗沢 竹雄
金賞 『夕暮れ富士山とジュークボックス』 阿部 良平
金賞 『青い空を磨く』 神山 昭子
銀賞
『覗き込む、その先に』
今井 好美
銀賞
『摩天楼に忍び寄る』
辰巳 功
銀賞
『トンネルを走る』
小池 茂
銀賞
『家路』
太田 洋之
銀賞
『夕暮れの公園』
千田 公一
特別賞
『秋の流れ』
能登 正俊
六本木ヒルズ賞
『メリーゴーランド楽しいな』
品川 明雄
東京ミッドタウン賞
『やっと潜り抜ける!』
米倉 辰雄
 
港区長賞
『興味津々』
藤村 偵一
富士フイルム賞
『モードな街角』
平野 昌子
理事長賞
『パレードが行く』
能登 正俊
優秀賞
『パフォーマー』
平野 昌子
優秀賞
『朝霧』
阿部 良平
優秀賞
『晩秋の毛利庭園』
板尾 健一
優秀賞
『好奇心』
板尾 健一
優秀賞
『髪をとかして』
大林 ひろ子
優秀賞
『かるた大会』
鹿島 秀夫
優秀賞
『街と緑と蝶と』
土屋 哲
優秀賞
『怪獣出現』
能登 正俊
優秀賞
『天高く』
岡崎 宏明
優秀賞
『夜のアイススケート場』
浜中 義孝
優秀賞
『六本木昼下がり』
岩上 行得
優秀賞
『気になる絵』
伊東 繁雄
優秀賞
『正義の使者出現!?』
伊東 繁雄
優秀賞
『半夏生』
米倉 辰雄
優秀賞
『大きくきれいなホオズキ』
齋藤 力
   
優秀賞
『ビルに囲まれて』
熬テ 正展
   
優秀賞
『クリスマスの六本木ヒルズ』
原田 恵一
優秀賞
『曲線と直線の造形』
飯塚 道雄
優秀賞
『キャンペーンを終えて』
石井 清治
優秀賞
『奇妙な神士』
浜口 哲
 

今回でこの六本木フォトコンテストは第8回目を迎えました。これまでと同様に、六本木に集う人々の様子を多彩な角度から捉えた質の高い作品が多く集められました。

まちの空気や風景、アートが融合した多くの応募作品のグランプリとして選ばれたのは、既に六本木の人気者となっているゴジラと戯れる女性、「美女をガブリ」。黒く屈強なゴジラの鋭い眼力と女性の服の赤と白のコントラストが鮮やかな瞬間を、絶妙なバランスで捉えています。ゴジラの牙にガブリと噛まれた女性の愉しげな表情が目に浮かぶような、ユーモラスで可愛らしい作品となっています。

金賞作品の「夕暮れ富士山とジュークボックス」。六本木のビル高層階からの日没直後の風景の中に、ジュークボックスの光を浮かび上がらせた幻想的な作品です。富士山のシルエットと共に広がる自然と、ジュークボックスという人工物の対比を夕暮れの空気が美しく包み込んでいます。同じく金賞の「青い空を磨く」では、澄み切った空に向かって伸びる六本木の高層ビル群の元、降り注ぐ陽の光に照らされた爽やかな風景が、磨かれるガラス越しに地下から見上げる人々の様子と共に立体的に捉えられ、奥行きのある作品となっています。もう一つの金賞作品、「偶然」では、都会の形式の中にくっきりと映える東京タワーと、その上空にゆったりと浮かぶ飛行船とで出来た偶然の構図が、夕暮れの空の色の美しさで包み込まれています。東京タワーとそれを撮影する女性のシルエットとのコントラストが、この作品を印象深いものにしています。

銀賞作品の「トンネルを走る」では、日差しと陰のストライプ、柱の奥行きが規則的な構図を作りその中を走る少年が作品に動きを与えています。静的な影と動的な影の交わりによって、この構図がより魅力あるものになっています。幻想的な日本庭園が舞台となっている「夕暮れの公園」。日本家屋が水面と共に夜の風景に浮かび上がり、それが静かな佇まいを際立たせ、作品全体に日本人の感性を漂う作品に仕上げています。「家路」の中には、このまちに住む人々の日常風景がアート性と共に表現されています。自転車で行き交ういつもの道にも六本木らしくアートがさりげなく溶け込み、モノトーンと鮮やかな色の対比が日常の瞬間を美しく切り取っています。「覗き込む、その先に」は、光る金属製のオブジェクトと青白く光る床のグラデーションとの対比が美しい作品です。覗き込む子供達の微笑ましい好奇心が、青く人工的な空間に和やかさを与えています。「摩天楼に忍び寄る」の中央にそびえ立つのは、六本木を象徴する摩天楼。それを包み込む青白い照明を纏った木々の構図の柔らかいバランスが、夜の景色を華やかに映し出しています。木々とは対照的なビルの照明の暖かな色味が、美しくも趣のある作品に仕上げています。

今回は多くの作品の中に六本木のまちの独特の空気、時間の移ろいが鮮やかに表現され、これまで以上にレベルの高いコンテストとなりました。高度な撮影技術を駆使した作品や絶妙な瞬間をうまく捉えた作品が増え、また応募者の年齢層もより幅広くなったことも作品選考を楽しくしてくれました。今後も更に多くの人々によってこのまちの魅力が写真の中に引き出され、コンテストがますます広がりを見せてくれることを期待しています。

審査委員長 写真家 立木 義浩